これまで戸籍に、氏名については漢字だけが記載され、その読み仮名(フリガナ)は記載されていませんでした。
それが、戸籍法改正で、漢字ばかりでなく、そのフリガナも記載されることになりました。今年5月26日以降、赤ちゃんの出生届に記載する氏名の読みは、法律で要求される必須事項となっています。従前の出生届に書いていた氏名の読みは事実上のものだったから、戸籍に記載されることがなかったのとは異なります。
なぜ、氏名のフリガナを戸籍に記載することになったのか。
いろんな目的があるのでしょうが、主には行政手続のデジタル化のためです。行政機関が保有する氏名のデータは、多くが漢字で登録されているのですが、同じ漢字でも様々な字体があるし、外字の場合もあります。ですから、漢字だけの登録では、データベース化がむつかしいのは、だれでも容易に想像できるはずです。この漢字の字体や外字は、本当に厄介で面倒な問題です。それが、フリガナだと、字体が違うとか、外字を使わないと表示できないなんて問題はないから、デジタル化に適しています。
私も、知り合いや身内の住所録をPCで管理していますが、氏名にはフリガナも登録しています。これによって、氏名検索も簡単に行えるようになっています。例えば、「富士野 蔵之介」という者がいる場合に、「のくらの」というように、氏名の一部分だけを打ち込んでも検索されるようにプログラムしています。
デジタル化は、何も行政手続に限らず、社会全体で進んでいます。そのため、個人データを漢字ではなくフリガナで管理する場面は多くなっています。現に金融機関は、多くの場合フリガナで口座情報の管理をしているようです。そのことを悪用し、複数のフリガナを使い分けることで、各種規制を逃れようとするケースもあるようです。フリガナを戸籍の記載事項とすることによって、そうした規制逃れの防止も図れることになります。
上記のように、出生届には氏名フリガナが必須となったのですが、それに伴い、「フリガナは、文字の読み方として一般的に認められるものでなければならない」という制限が設けられました。
政府広報には、認められない例として、「太郎」に「ジロウ」や「マイケル」のフリガナを当てるなどが挙げられています。
ただし、フリガナに関する上記ルールは、新規の届出にのみ適用されるので、すでに戸籍がある者は、現在使用している読み方が、そのまま戸籍上の氏名フリガナとして認められます。

世の中には変わった読み方をする名前があって、そうした珍しい例に、たまに出くわすことがあります。
ネット上にも、「絶対読めないキラキラネームランキング」などと、いろいろと紹介されています。
そのランキング等に出てくる名前で、目を引いたものをいくつか抽出すると、次のようなのがあります。
- 1 美音 りずむ 2 奏夢 りずむ
- 3 翔馬 ぺがさす 4 七音 どれみ
- 5 紅葉 めいぷる
少し前に有名になった、「今鹿」と書いて「なうしか」と読ませる名前は、私もすでに知っていました。
そういう名前に出くわしたときに、うかつに「おもしろい」という言い方をするのは、注意が必要かもしれません。親のしたことであって、当の本人はどうしようもないことでしょうから。
この関連で思い出されるのは、「悪魔」ちゃん出生届の事例です。もうずいぶん前のできごとになりましたが、その事例では、紆余曲折の末に、ようやくそれなりの解決がなされました。
なお、戸籍に記載される予定のフリガナを確認したいときは、次をご参照ください。
⇒ 戸籍氏名フリガナをマイナポータルでオンライン確認
それでは、また次の記事で。
goosyun
